この記事の概要
大企業への憧れと失望
前記事「引っ越しして心機一転と思いきや…」からの続きです。
都会に引っ越し、スクールでWEBを学んでせっかく新たな人生を歩もうとしていたのに、またまたブラック企業に入ってしまい体調を崩して辞めてしまった私…
これ以上居たら確実に自分がおかしくなると判断して辞めたのは正解だったとは思いますが、当然また仕事を探さないといけません。
大企業で新たにスタート
せっかく学んだことを活かせる仕事に就こうと張り切っていたのに、前社でのダメージが大きかった私はすっかり自信も失ってしまい、また別の道に進もうとしていました。
WEBの知識は自身のサイト運営に活かされていて全くの無駄にはなっていなかったので、今度はもっと精神的に楽な単純作業の仕事を重点的に探し始めたんです。
今まではきっと中小企業だったから法令を守らないなど環境的に長続きしなかったんだとその時は思ったので、今度は大企業にターゲットを絞り…
そして契約社員ながらとある有名な大企業に採用が決定、また私の新たな人生がスタートしました。
中小企業との違いに感動するも…
大企業はさすがに今までとは違い、最初から手続きなどがしっかりしていて違いを実感しました。
入社前には費用は会社持ちで指定された家の近くの病院で健康診断を受け、全身(履物まで)制服が2着ずつ貸与されるので仕事着にも困りません。
そしてなにより、私も有名企業の一員になれたことがうれしかったことを覚えています。
ただし契約社員なので時給制(しかも激安)でしたが、今まではいい加減な会社ばかりだったので、きちんとしているだけでも大きな進歩だと思いました。
しかし、そう思っていたのも最初のうちだけでした。
非正規の扱いのひどさを知る
まず初日に出勤すると、同じく今日から始まる短時間契約の方と一緒に業務や社内のルール説明を担当の社員から受けることに。
そして説明を受けている途中、「朝礼が始まるのでそちらに行ってください」との指示。
人もたくさんいてどういう風に紹介されるのかと緊張していたら、私たちのことはスルーで何事もなかったかのように朝礼が進み、業務が始まりました。
結局私たちは職場の人たちに紹介されることも挨拶をすることもなく、ただ現場に放り込まれただけでした。
このとき「契約社員の扱いは所詮こんなものなんだな」と思いましたが、ここは気持ちを切り替えて業務にあたることに。
そしてよくよく辺りを見渡してみれば、制服を着ている者より明らかに私服で作業している人の方が多く、私服の人たちはすべて派遣社員ということがわかりました。
また派遣社員といっても派遣元がそれぞれ違い、同じ持ち場の同じ仕事でも派遣元によって時給がバラバラで互いに会話もなく、仲がいいとも言えない様子…
殺伐とした環境の中で
今までは職場の人と軽くコミュニケーションをとりながらの仕事だったのですが、この会社ではそういった会話は一切禁止。
何かあったときは必ず現場のリーダーに聞くという、徹底したルールが敷かれていました。
職場全体がビジネスライクで仕事も完全に合理化され、私たちはただ黙って指示されたとおり機械のように無駄なく動くことを要求されるだけ。
この点はさすがに大手だなと感心しましたが、業務に慣れるにつれ次第に虚しさがこみ上げてきました。
ひたすらルールとマナーを守ってロボットのように動くだけの内容で、自分の意思や感情というものは無視されることに違和感を覚えたからです。
工場のライン作業などもよく「長続きしない、単調すぎてうつになる」と聞いたりしますが、たぶんそれと似たような感じです。
人が辞めるのは結局どこも同じ
ただしコミュニケーションが苦手で、ひとり黙々と作業したい方にはこれでいいのかもしれません。
実際、場合によっては1日中誰とも話さずに終われることも可能だからです。
それにルールが徹底していてリーダーの指示に従うだけなら自分勝手に動く人も出ないし、やり方も統一されるのでいい面もあります。
契約社員でも有給休暇は100%消化できますし、職場もわりと綺麗で最上階には同じ建物内で働く人が利用できる食堂もあるので便利です。
あとは仕事が面白くないことと薄給を我慢すればいいだけ。
しかし入社2ヶ月後、同日入社した短時間契約の人が「職場の雰囲気に馴染めないから…」といって辞めてしまいました。
私もその人と気が合って同意見だったので「辞めそうだなあ」とは思っていましたが、私に引き止めることはできませんでした。
評価制度という名のあら捜し
結局私は、心の中では嫌々ながらも会社のいいところだけを見るようにして何とか続きましたが、どれだけ真面目に頑張っても時給が上がることはありませんでした。
そして途中から評価制度というものが導入され、個人個人の評価がこと細かくランク付けされるように。
それは言ってみれば子供の学校の通信簿のようなもので、まあ間違いではないかもしれませんが個人のあら捜しをされているみたいであまり気分がいいものではありませんでした。
評価の面談は必ず契約更新の前に行われ、たとえ評価が良くても時給が上がることはなく、むしろ何かミスをしたときに時給を下げるためのものでした。
私も数年まじめに頑張ってそろそろ時給が上がることを期待していましたが、たった一度ミスをしてしまったことを指摘され逆に下げられてしまったんです。
それも、ただでさえ労力からしても低すぎる時給をその地域で決められている最低時給まで下げられました。
そして、
を、ここではっきりと思い知らされました。
この一件で私のやる気は完全に吹き飛んでしまい、またもや会社を辞めることになってしまうのでした。。
(このシリーズはいったんここで終了します)
勤務状況まとめ
■業種
情報通信業
■経過
求人サイト→応募→面接→面接→採用→体調不良にて契約更新せず退社
■雇用形態
契約社員(中途入社)
■労働時間
・平日7.5時間
・仕事の波があり、早帰りもあれば終電間際まで残業もあった(早帰り分の時給保証は無し)
■休日
・完全週休2日制
・祝日 / GW / 夏季休暇はカレンダー通り
・年末年始休暇
■有給休暇
・比較的自由に取得可能
・夏季休暇や病気、急用で休んだ場合も有休をあてられた
■昇給
・定期昇給は無し
・役職に就いたらランクが上がるごとに50円
■賞与
・契約社員は無し(派遣社員の人は出ると思っていたらしい…)
■手当
・残業手当 / 通勤費のみ
・残業手当は満額支払
■賃金形態
・時給制
・休んだ分は有休をあててカバー
■ノルマ
・特になし
■教育研修
・いきなり現場に入ってスパルタ指導
・ペーパーテストも定期的にあり
■人事異動
・基本的に契約社員は無し
・まれに他の拠点を希望して移る人もいた
■リストラ
・ほぼなし(契約更新は半永久的に可能?)
■社員割引
・団体保険や保養所など(実質ほとんど関係なかった)
■退職金
・契約社員は無し
■定着率
・若者は短期で辞め、中高年と主婦のパートタイマーは残るパターン
・辞めればその都度安い非正規で補充すれば済むという考え(いわゆる使い捨て)
■利点
・末端の仕事しかしていなくても勤務先名だけで周りの信用が上がる
・有給休暇が自由に取得でき、退職時にも完全消化できた
■欠点
・正社員は若くて頼りなく、契約社員は中年以降のベテランが多く衝突もしばしばあった
・正社員 / 契約社員 / 派遣社員 / 日雇いが入り乱れ、互いに距離感があった
・契約社員は低賃金で昇給賞与 / 正社員登用もなく、長くいる意味がない
・同じ仕事内容なのに男女で時給差(女性の方が低い)
・仕事が少ないときは早帰りになり、時給保証もなく生活苦になる
・毎日定時で帰れば収入は生活保護以下