親の理想と子供の心
子供が生まれると、親は子供を自分の理想通りに育て上げたいと思うかもしれません。
しかし、自分が親にそういう育てられ方をした人ならわかるかもしれませんが、こういう人間になれとか自分が叶わなかった夢を子供に託すとかいう理想は、子供にとっては迷惑なものです。
やりたくないことを強要する親
私は、自営業の両親のもとで育ちました。
育った田舎は世間が狭く、地元で仕事を受けるうえでも周囲にいいイメージを持ってもらうため私に対する躾もうるさく、子供ながらに外面は良くしていたと思います(^_^;)
しかし、親というのは子供を自分の理想に仕立て上げようとするので、窮屈な思いもたくさんしました。
たとえば学校やよそでも真面目で人から褒められる子でいるのはもちろん、私が全く興味のない習い事を無理にさせられたりもしました。
私には少し歳の離れた姉がいてピアノを習っていたのですが、私も幼少時から習わされていたんです。
姉はピアノに興味があったかもしれませんが、小学生になった私はとにかく嫌で嫌でたまりませんでした。
8年我慢してようやく解放される
当然、家で練習などするはずもなく、週に一度のレッスンでは毎回先生からガミガミ怒られるのが当たり前で、家に帰ればさらに母親に叱られるの繰り返し。
おまけに楽譜も読めないし、家で練習せずにレッスン当日に初めて弾く(練習する)といった私はかなり問題児だったと思います(^_^;)
その頃、珠算や書道塾にも通っていて、それらは塾でやるものだからピアノもその場で習うものだと思っていたのもありますが…
ピアノは家で練習してくるものだし、本当に好きなら親に言われなくても自ら進んで練習しますよね。
そんな私は家ではいつもやりたくない、辞めたいと泣きながら逃げ回っていましたが全く聞き入れてもらえず、結局8年間も習う羽目になりました。
しかし中学生になる時、私が自分から「運動部に入りたいからピアノは無理」と言ったらあっさり「じゃあ辞める?」と言われ、ようやく解放されたのでした。
親の顔をうかがう癖
それにしても、親がなぜそこまで意地になって私にピアノを習わせようとするのかわかりませんでした。
もし私が親だったら、興味がなくて見込みがないとわかったら無理にさせませんし、同じ月謝を払うなら子供が自ら興味を持った習い事をさせた方がよほど本人の為になると思います。
この時は晴れてピアノを辞めることができたものの、私はいつの間にか親の顔をうかがう癖がついていました。
運動部に入ったのは自分の意思でしたが、何をするにもまず親の意見を聞いて自分というより親が喜ぶ選択をしていたと思います。
実はピアノのレッスンの最中に、あまりにも私が練習をしてこないのである日とうとう先生がキレてしまい…「誰のためにやってるの?」って聞かれたことがあるんです。
そのとき思わず私は「親のため…」と言いそうになったのをグッと飲み込み、何も言えなくなりました。
本人の意思を尊重すべき
もちろんここは「自分のため」と言うべきところですが、私はどうしても心からそうは言えなかったのです。。
結局、先生にも「自分のためでしょ?」と言われ、そのときは「ハイ…」と答えるしかありませんでした。
あの時もし「親のため」なんて言ったら、私も親も大恥をかいたに違いありません。
親はどうしても私にピアノを弾かせたかったみたいですが、途中で辞めさせるのは恥だと思ったんでしょう。
しかし、親の意地で無理やり何かをさせるのではなく、やるかやらないかは本人の意志です。
当時の親と同じ年齢に近づいた私も今では、そういう経験をするように私の人生に最初からプログラムされていたことなのだと思うようにしています(^_^;)
まとめ
自分自身の経験を長々書いてしまいましたが、結局のところ子供は親の思い通りにはならないということです。
「こうでなければならない」とか「これはやるべきだ」と親が子供に理想を押し付けても、興味関心がなければ子供は重荷に感じ、無駄になるだけなんですね。
それよりも、子供がやってみたいと言ったことに積極的に環境を与えてあげた方がノビノビ育ちますし、確実に子供のためにもなります。
もしこれから子供に何かをさせようと考えているなら、子供の意思を尊重してあげてくださいね。
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